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ビザガイド

スペインの非営利ビザ【2026年】老後の移住や働かずに暮らすための条件・資力証明・申請の流れ

年金や資産で暮らす方のためのビザの要件、必要書類、領事館での申請、税金、永住権までの道のりを解説します

スペインの非営利ビザ(visado de residencia no lucrativa)は、スペインで働かずに暮らすための在留許可です。年金生活者、資産や配当で暮らす方、仕事を休んで数年間スペインで過ごしたい方にとって、老後のスペイン移住の中心となる選択肢です。この記事では、2026年の資力要件、必要書類、日本の領事館での申請の流れ、医療保険、税金、そして永住権までの道のりを整理します。

先に結論

  • 資力証明は IPREM(公的所得指標)の400%で、2026年は本人が年約28,800ユーロ、家族1人につき年約7,200ユーロ加算です
  • スペイン国内での就労やスペインの顧客との取引はできません。リモートで働くならデジタルノマドビザを選びます
  • 申請は日本のスペイン領事館で行い、審査は1〜3か月です
  • 最初の許可は1年で、2年ごとに2回更新し、5年で永住権を申請できます
  • 更新には年183日以上スペインに滞在する必要があり、その結果スペインの税務上の居住者になります
バルセロネータの海岸

第1部:非営利ビザが向いている人

非営利ビザは、スペインで働かずに自分の資力で生活できる人のためのビザです。年金で暮らす方、不動産収入や配当で暮らす方、休職や早期退職で数年間スペインに住みたい方、貯蓄で家族と移住する方に使われています。2025年4月3日に廃止された不動産投資によるゴールデンビザと違い、投資の要件はありません。

一方で就労は認められません。スペインの企業に勤めること、スペインで事業をすること、スペインの顧客に請求することはできません。日本の会社の仕事をリモートで続けると申告すると、領事館によっては却下されます。働きながら住むなら、国外の仕事を続けられるデジタルノマドビザの方が安全で、永住権までの道のりは同じです。

第2部:2026年の資力要件

資力の基準は IPREM の倍率で決まります。2026年は、本人が年間 IPREM の400%で約28,800ユーロ(月2,400ユーロ)、同行する家族1人につき IPREM の100%で約7,200ユーロです。夫婦なら年約36,000ユーロ、夫婦と子ども2人なら年約50,400ユーロが目安です。

証明の方法は次のようなものが認められます。

  • 年金の受給証明(年金額改定通知書、年金振込通知書など)
  • 1年分、または許可期間分の金額をまかなえる預金残高の証明
  • 配当、利子、不動産収入を示す証券口座や賃貸契約の書類
  • 上記の組み合わせ

領事館によって、年額を預金で示すよう求める場合と、月々の収入で認める場合があり、多くは直近6〜12か月分の残高証明や取引明細を求めます。申請前に、管轄の領事館の最新のチェックリストを確認してください。

第3部:必要書類

  • 国家ビザ申請書と居住許可申請書(EX-01)
  • 有効期限が1年以上残っているパスポート
  • 上記の資力証明
  • スペインで認可された保険会社の民間医療保険(自己負担なし、待機期間なしの包括的な保険)。旅行保険は認められません
  • 公衆衛生上重大な疾病がないことを示す医師の診断書(所定の様式)
  • 犯罪経歴証明書(警察証明)にアポスティーユを付けたもの。発行から3〜6か月以内
  • 家族を帯同する場合は戸籍謄本(婚姻・出生の証明)にアポスティーユを付けたもの
  • スペイン語以外の書類は公認翻訳(traducción jurada)を添付

アポスティーユと公認翻訳に最も時間がかかるので、渡航予定の3〜4か月前には着手してください。

ラス・パルマスのラス・カンテラス海岸

第4部:申請の流れと期間

1. 書類の収集とアポスティーユ

犯罪経歴証明書と戸籍謄本を取得し、外務省でアポスティーユを受けます。次に診断書と医療保険を手配し、最後に公認翻訳を依頼します。

2. 領事館の予約と申請

住所地を管轄する在日スペイン領事館(東京または大阪)で申請します。予約が取りにくい時期があるので、早めに確保してください。審査中はパスポートを預ける場合があります。

3. 審査

法律上の審査期間は最長3か月で、実際には4〜10週間で結果が出ることが多いです。

4. 入国と居住許可カードの取得

ビザの有効期間内(3か月)にスペインに入国し、市役所で住民登録(empadronamiento)をし、30日以内に警察で外国人身分証明書(TIE)を申請します。銀行口座の開設もこの時期に行います。

第5部:更新と滞在日数、永住権

最初の許可は1年間です。その後スペイン国内で2年の更新を2回行い、そのたびに資力と医療保険を証明します。更新には、各年に183日以上スペインに滞在していることが必要です。5年間継続して合法的に居住すると、資力要件のない長期居住許可(永住権)を申請でき、就労も可能になります。

途中で働きたくなった場合は、1年目の更新以降に、通常の要件を満たせば就労許可や自営業の許可に切り替えることもできます。

第6部:税金の扱い

年の半分以上をスペインで過ごすため、スペインの税務上の居住者になり、全世界の所得を申告します。日本とスペインの租税条約により、日本の公的年金は原則としてスペインで課税され、日本では課税されません(日本で源泉徴収された場合は還付の手続きができます)。日本の不動産収入や配当は、日本で課税されたうえでスペインでも申告し、日本で納めた税額を控除します。

州によっては富裕税があり、国外資産が種類ごとに5万ユーロを超える場合は海外資産の申告(モデロ720)も必要です。退職金の受け取り時期や資産の売却は、移住前に税理士と相談して決めてください。

第7部:非営利ビザとデジタルノマドビザの比較

まったく働かず、年金や資産で暮らすなら非営利ビザです。日本の会社や顧客の仕事をリモートで続けるならデジタルノマドビザで、2026年の収入要件は月2,849ユーロ、スペイン国内で申請すれば最長3年の許可が得られ、ベッカム法による一律24%の所得税が使える場合もあります。どちらも5年で永住権につながります。

まとめ

非営利ビザは、年金や資産で暮らす日本人がスペインに移住するための最も直接的な道です。2026年は本人で年約28,800ユーロの資力、包括的な民間医療保険、アポスティーユ付きの犯罪経歴証明書、在日領事館での申請が必要です。更新のために年183日以上スペインに滞在し、税務上の居住者になることを踏まえて計画し、5年後に永住権を申請します。当社では、書類の準備、保険と翻訳の手配、到着後の住民登録や銀行口座まで、バルセロナの現地チームが日本語でサポートします。

本記事の内容は執筆時点の情報です。資力要件や領事館の運用、税制は変わりますので、実際のご判断にあたっては領事館や税理士など専門家の最新情報をご確認ください。

写真: Maria Rosa Ferre / CC BY-SA 2.0 · Nicolas Vigier / CC0 (Wikimedia Commons)

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